ヨガの聖者が書いた「般若心経」解説

 世界的に有名な日本人ヨガ指導者Aさんが書いた「般若心経」の解説があります。今回はその読後感をお話します。

 別記のように、そもそもヨガはインド古来のヒンズー教の修法です。何度もお話しましたように、釈迦の仏教はヒンズー教やそれ以前のヴェーダ信仰を乗り越える新しい宗教として生まれたものです。そのヨガの人が「般若心経」を解説するのは、筆者にとって、キリスト教の神父が禅を説くより奇異に感じます。

 Aさんは、

 ・・・釈迦はプラクリティという物質の源に還ること、消えること、つまり、「無我」を体験した。そのプラクリティと結合して、宇宙を創造したプルシャがある。それを生み出すのがブラフマン(究極の存在、神)である。そこからすべてが生まれる。それを般若心経では「空」と言った・・・と言っています。プラクリティもプルシャもブラフマンもすべてヒンズー教(その前身のバラモン教)の述語です。

 要するにAさんはヒンズー教の立場から釈迦の教えを解釈しているのです。驚くほかはありません。

 「般若心経」の要諦、色不異空 空不異色 色即是空 空即是色についてAさんは、、

 ・・・見えて形のあるものは、本当の姿は何もないのですよ。何もないところから、形のあるものが現れるのです。それ故に、見える形のあるものは、空なのです。つまり消えてなくなるものであり、何もない、空から、見えて形のあるものが現れるのです・・・

つまり、「空」を「なにもない」と解釈していますね。ところが問題は、この人の「空」の理解は多様なのですです。すなわち、

1)上記のように「何もない」との解釈

2)心の奥深くには、愛と静寂があり、その根源には「真理」があり、仏教では「空」があると言う。そこから生まれるのが「仏性(神性)」という「悟り」の意識である。

3)「空」の中にはすべてが含まれていて、創造する力がある。

4)本当の自分(筆者の言う「本当の我」)、魂、それを仏教では「空」という・・・その「空」は何もないということではなく、形はないのですが、永遠の存在である。

5)涅槃(悟り)の境地

6)「本当の自分」がつながる神

いかがでしょうか。なにやら取り止めがなく、筆者にはよくわかりません。

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