中野禅塾

 2015年12月アメリカがついに金利上げに踏み切りました。「これからも世界経済の動向を見極めながらさらに上げて行く」と言っています。2008年のリーマンショックは100年に一度という大混乱を引き起こしました。あのときアメリカはリーマンショックから立ち直るための施策として、低金利政策と莫大な公的資金を投入しました。その資金はインドやブラジル、インドネシアなどの新興国にまで流入し、飛躍的な好景気をもたらしたのです。しかし今度のアメリカの利上げによって資金の流れはアメリカに逆流します。それによりこれらの新興国は資金の枯渇や通貨の下落が起こって深刻な不況になるはずです。
 リーマンショックは担保がなくても不動産が買えるという異常な商法がキッカケになりました。アメリカの利上げは、リーマンショックからわずか7年でまた過剰な不動産投機、すなわちバブルが起こっているための対策です。それに伴ってアメリカはもちろん、日本でも株価の急激な上昇が起こっています。1930年代のアメリカ大恐慌とまったく同じ状況になっているのです。わずか80年です。人間には懲りるということがないのです。
 今はネットで株の売買ができます。わずか一日で1000万円儲けたり損するのも珍しくありません。これらのマネーゲームにより、額に汗して築き上げたものなどアッという間に吹っ飛んでしまうのです。それが世界的規模で行われています。人々にやる気がなくなるのは当然でしょう。一体世界はどうなるのか。

 いま日本では学校内暴力、いじめ、不登校が深刻です。もちろんいじめの原因は徹底的に明らかにしなければなりません。しかし加害者を突き止めても問題が解決しないことも私たちは知らねばならないのです。1960年代の池田内閣時代の「所得倍増計画」以来、日本人の考え方が根本的に変わってしまったことに原因があるのです。教育も大量生産・大量消費の資本主義経済を支える優秀な人材を育てるためのものに方向転換されてしまったのです。成績のいい子はそれでいいかもしれません。しかし、成績の悪い子は必然的に「ダメな子」とされてしまったのです。しかしダメな子も人間です。自分では気付かなくても「オレも人間として認めてくれ」という切実な思いがあるのは当然でしょう。暴走族や校内暴力、いじめの加害者は彼らの世の中への強い反発、アッピールなのです。それに気付かなければこれらの問題の根本的解決の道は見つかりません。「良い学校に入ってよい会社に入らなければ人間らしい生活はできない」、このゆがんだ価値観に沿う教育は今後ますます極端になって行くはずです。韓国の受験戦争の異常さはけっして対岸の火事ではないのです。
 これらはすべて人間の欲望が自制できなくなっているためです。いったい日本は、そして世界はどうなって行くのでしょう。人間の心がますます荒廃して行くのは眼に見えています。もう資本主義や競争社会は完全に行き詰っているのです。

 「は限られた人、特殊な人が悟りに達するためのもの」との考えはまったくの誤解です。本当の目的は「人が人間らしさを取り戻すためのもの、人間らしく生きるということはどういうことかを知るためのもの」なのです。世界中の人たちがこの東洋独自のすばらしい考え方を一刻も早く気付かなければならないのです。
 
 このホームページは読者の皆さんが禅を学ぶためのお手伝いをするために立ち上げました。お読みいただければお分かりのように、私はけっして禅だけについてお話するのではありません。浄土の教えや法華経の教え、唯識思想から華厳の教え、さらにはキリスト教、からスピリチュアリズムなど、幅広くお伝えしていくつもりです。禅だけを学ぶというこれまでの禅師たちの轍を踏んでいたら、禅そのものも分かるはずがないと思うからです。そのために私もみなさんとご一緒に勉強して行きます。 

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