第十七則 国師三喚
原文:
国師三たび侍者を喚ぶ。侍者三たび応諾す。
国師云く「将(まさ)に謂(おも)えり、吾れ汝に辜負(こふ)すと。元来却って是れ、汝吾れに辜負(こふ)す。」
現代語訳:南陽の慧忠国師が侍者を三たび喚ぶと侍者はそのつど「はい」と返事した。
国師は「なんだ、私はお前さんの悟りたいという期待に応えられない(お前は未だ悟っていない)と思っていた。しかし、本当はお前さんは既に立派に悟っていて、わし(国師)の期待に答える必要はなかったのだな(悟って貰いたいという期待を既に裏切っていたので国師の期待に答える必要はなかった)」と言った。
山川師の解釈:慧忠国師が侍者を三回呼んだこと。この老師は辛抱の良い人ですね・・・・雲水というのは「鑿と言えば槌、鋸と言えば鉋、筆と言えば硯と一緒に持って行く。それくらいのことがすぐ理解できて動けないようでは隠侍(お付きの人)失格だ。
筆者の感想:ここでも山川師は間違えているのです。この公案の正しい意味も、
上記の第七則 趙州洗鉢、第十五則 洞山の三頓と同じなのです。