震災や津波、事故などで突然大切な人を亡くした人が、後でそろって口にしているのは、「両親がいて、兄弟姉妹がいて、子供たちがいる。その平凡な日々がとても大切だった。それを失った今、初めて気が付いた」。そのとおりでしょう。私たちは誰もが「夢に向かって突き進む人生が重要だ」と、思っています。良い高校や大学、将来を約束された会社 ・・・・・を目指して生きています。しかし、遺族たちは、本当の幸せはそんなものにはなく、「当たり前の平凡な日々だ」と言うのです。味合うべき言葉でしょう。私たちも今の日常をありがたいと思い、感謝の日々を送るべきですね。禅の要諦も、実はそこにあるのだと思います。
チャップリンの〈ライムライト〉でかつて売れっ子だった道化師・カルヴェロ(チャップリン)が、若くして人生に絶望し、自殺を図るバレリーナ・テリーを助け出す。自分とは違い、無限の未来が広がるテリー。彼女を力づけようと、カルヴェロが熱弁を振るいます。
カルヴェロ「病気くらいでどうして命を絶とうなどと思ったの?」。
テリー「すべてが虚しかったの。花を見ても、音楽を聴いても、人生が無意味に思えて・・・・」
カルヴェロ「あなたのような若い子が命を捨てるなんて、君はよくない。年をとると命が惜しくなる。希望がなければ、瞬間を生きればよい。素晴らしい瞬間だってあるのだから。私は6ヶ月前に死ぬことを諦めて、生きるために闘った」(下線筆者)。
テリー「私は闘うのに疲れたの」
カルヴェロ「自分と闘うからだ。諦めてはいけない。幸せのために闘うのは美しい」
そしてカルヴェロの最後の名言が、
Yes,
life is wonderful, if you’re not afraid of it.
All it needs is
courage, imagination, and a little dough(some
money).
人生は恐れなければ、とても素晴らしいものなんだよ。人生に必要なもの。それは勇気と想像力、そして少しのお金だ。
すばらしい言葉ですね。
ある解説者は、最後の「(人生に必要なものは)そして少しのお金だ」を「ご愛敬」と言っています。バカなことを言わないでください。「少しのお金があること」は絶対必要条件なのです。それがなければチャプリンの言葉は単なる空ごとになってしまうのです。
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生かしていただいていることのありがたさ
筆者のブログの熱心な読者の中にも神の存在を信じない人は多いです。「証拠を見せてくれたら信じる」と言う人も。しかし、そう思えば思うほど神はあなたから離れていくのです。筆者あるとき、「生命は神が造られた」と直感しました。食べ物の元も「いのち」です。