憎しみの連鎖を断つ(2)

 いま世界各地で救いようのない民族間対立が続いています。イスラエルとパレスチナの人たち、ウクライナとロシア、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、ルワンダにおけるフツ族とツチ族の対立など、いずれにおいても凄惨な大量虐殺(ジェノサイド)が行われています。

 中でもいま大きな焦点になっているのがガザ地区におけるイスラエルによるパレスチナに対する無差別攻撃ですね。昨年10月、ハマスによるイスラエル人拉致に始まる攻撃が始まった時、筆者は「イスラエル側はこれを口実に、パレスチナへ徹底攻撃をする」と思いました。「ハマスよそんなことをしてはダメだ必ずそうなるから」と。ただ、ハマスにも積もり積もった恨みがあったからでしょう。それにしても、直近のテヘランで起こったハマス最高指導者ハニヤ氏の暗殺は衝撃的でした。イランが「わが国の客人の暗殺には報復する」と表明したのは当然でしょう。しかし、ただちにアメリカ政府がイスラエルに対し直ちに武器援助と戦闘への協力を表明したのには驚きました。というよりあきれました。

 しかし、このような民族間対立には解決の糸口さえつかめません。今日のニュースにも、「ハマスの見張り役が、命令に反してイスラエル人質を殺してしまった」とありました。犯人の2人の子供がイスラエルによる空爆で殺されたことへの報復だと言っています。何ともやりきれない話ですね。でもなんとかサヘルさんの母親のように「恨みを恨で返してはいけない」と言う人が、イスラエル、パレスチナ双方に出てくれないかと思います。そういえば思い出しました。以前テレビで、イスラエルの少年が「パレスチナ人と仲良くしなければいけない」と言うのを聞きました。そういう「草の根の運動」を続けているのですが、彼の友人の母親が彼の運動に対してとても腹を立てていたのです。

 これはなにも紛争当事国ばかりではありません。私たちの周りでもよくあることですね。

「あいつだけは許せない」・・・・。しかし、人間、死ぬまで人を恨み続けていてはいけないのです。「人間はこの世で解決しなければならない課題を持って生れて来た。それが現世を生きる意味だ」とは、スピリチュアリズムで言われる言葉です。とても説得力のある言葉ですね。しかるに、せっかくその課題を果たすために生まれて来たのに、果たさないままであの世へ帰ったら、それこそこの世で生きたことがムダになります。

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