あなたの悩み、本当の悩み?

  1リットルの涙

  木藤亜也さん(1962-1988)は、脊髄小脳変性病という、体を動かす働きをする小脳が萎縮してゆく難病に見まわれ、26歳という若さで亡くなりました。高校に入学する頃から病状が現われ出し、病気と闘いながら通学します。しかし、病勢は止まらず、途中で養護学校に転校を余儀なくされ、遂にはベッドで寝たきりの生活の中で日記を書き綴りました。絶望的な状況でも冷静に自分を見つめ、希望を捨てずに生きた感動的な文章が書かれています「1リットルの涙」(幻冬舎文庫)。

その一節、

………

過去を思い出すと涙が出てきて困る

現実があまりにも残酷できびし過ぎて

夢さえ与えてくれない

将来を想像すると、また別の涙が流れる
………
お母さん、わたしのような醜い者が、この世に生きていてもよいのでしょうか。
わたしの中の、キラッと光るものをお母さんなら、きっと見つけてくれると思います。
………
若さがない、張りがない、生きがいがない、目標がない……
あるのは衰えていく体だけだ。
何で生きてなきゃあならんかと思う。反面、生きたいと思う。
………
我慢すれば、すむことでしょうか。
一年前は立っていたのです。話もできたし、笑うこともできたのです。
それなのに、歯ぎしりしても、まゆをしかめてふんばっても、もう歩けないのです。
涙をこらえて
「お母さん、もう歩けない。ものにつかまっても、立つことができなくなりました」
………
後十年したら……、考えるのがとてもこわい。
でも今を懸命に生きるしかないのだ。
生きていくことだけで、精いっぱいのわたし。
………

これを読んだ男子高校生は・・・・いじめられ、死のうと思っていたが、生きる決意をした・・・・と。

あとはぜひこの本を買って読んでください。

 今、筆者の周囲にも受験に失敗し、希望校へ入れなかった人がいます。本人はもちろん、両親にとってもつらいことでしょう。一方、長年人生を共にしてきた奥さんを突然亡くした友人もいます。慰める言葉もありません。そのほか、重い病気や人間関係で悩んでいる人たちのことも知っています。しかし、そんな悩みなど、木藤さんのこの本を読めば吹っ飛んでしまうのではないでしょうか。それを願って紹介させていただきました。

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