中野禅塾だより(8)霊的世界はある(その5)

中野禅塾だより(8)霊的世界はある(その5)

「神(仏)が存在する証拠を見せてくれたら信仰する」・・・。そう言う人は少なくありません。信仰とは正反対の気持ちですが、話を進めます。霊的世界が存在することの証拠でしたら、筆者はたくさん出せます。
 以前お話したように、筆者は10年間神道系教団に属し、「霊感修行」をしました。40歳代から50代にかけてのことです。その間にさまざまな霊的現象を見聞きし、自分でも体験しました。もちろんそのことは職場では一切話しませんでした。そんなことをすれば研究者としての資質が疑われたはずです。

 筆者は、「霊が実在する」ことを信じています。今回は、そのうちの一つをご紹介します。それは15年くらい前、筆者が国際学会でベルギーへ行った時のことです。現地でのツアーバスで、九州のある大学の先生の隣席になりました。ご専門は心療内科で、長年大学病院で診療に当たった来られた人です。たまたま「拒食症」のことに話が及びますと、ある興味ある症例について話してくださいました。それは次のようなものです。

 ある若い女性拒食症患者の診断の一つとして、実際に食事をするところを見てみますと、突然、まるで犬のように食器に顔を突っ込んで食べ始めたのです。驚いてその理由を尋ねますと、「何かが私の体の中に入ってきて、お茶碗を持って箸で食べようとすると、それを強く妨害するのです。『相手』に食べようとする動作を見せないため、隙を窺ってパッと食べ物に口をつけるのです」と言ったそうです。その先生は「死霊のようなものがその人を餓死させようとして、食事をするのを妨害するのではないか」と思ったそうです。

 先生は医学部教授で、「それまでは心霊現象など信じたことなどなかったが、その時ばかりは霊の存在をありありと感じ、鳥肌が立った」そうです。若い女性の中には、極端なダイエットをする人がいます。それを続けていますと、だんだんモノが食べられなくなります。体が「この少ない量でいいのだ」と判断して、「食べなければいけない」と思っても食べられない状態になるのです。筆者は毎年、一般市民向けの「ダイエット講座」を開いていましたし、神経科学を研究していましたから、専門家としてそういう知識もあります。そしてその状態がさらに嵩じると、そういった「死に誘う霊」が取り憑くことがあるのです。それは、筆者が神道系団体に属していた経験からも納得できるのです。

 「触らぬ神に祟りなし」という言葉がありますね。ふつう「あの人は苦手だから近寄らないでおこう」という意味だと取られていますが、本当は「神霊にはむやみに近づくな」と言う意味なのです。霊的なものが見えたり聞こえたりする人がおり、世の中にはそれを「よし」とする風潮もありますが、素人は妄りに近づいてはいけないのです。筆者の知人に、「野面にある祠を信仰し、沢山のご利益をいただいている」と言う人がいます。しかし、それは一方できわめて危険な行為なのです。筆者はその友人には黙っていますが・・・。普通の人には霊が見えたり聞こえたりしないのは、その人を守るため、ちゃんとそうなっているのです。この問題については後ほど改めてお話します。 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です